gihodo shuppan
HOME 新刊案内 ジャンル別書籍 購入案内 会社案内 お問い合せ
書籍詳細
 
静かなる技術倫理
〜 国難を少しでも救う志 〜
佐伯昇・横田弘・冨澤幸一・正岡久明著
A5・212頁 / 2530円
発行年月日 : 2020年4月
ISBN : 978-4-7655-4131-2
 

内容紹介
環境や一般社会の問題などで私たちは今、国難を迎えている。国難を救うためには,たとえ微力であっても,地道に勇気・誠意を持って行動することであり,そのためにも広く知識を知っておく必要がある。例えば,1.国難を受けやすい地域の状況を把握し,支援とはどういうことなのかという情報交換によるもの。2.学生に対する技術倫理の伝承を通して伝えられる,志,覚悟の思い。3.社訓などで社内の指導部が技術倫理について話し合い,つくられる情報交換体制によるもの。4.契約社会における不文律としての技術倫理。5.これまで起こった大災害による教訓など。本書は,将来を見据え,静かなる技術倫理が技術者や学生にとって自律的倫理観を涵養するための一助となるよう執筆された書である。
 
目次
はじめに―国難を思う―

第1章 新しき人を求めて

 1.1 ハムラビ法典
 1.2 科学技術の正体――ギリシャ神話
 1.3 今日の苦悩と科学技術――水俣病
  [1] 第三者によるチェック機能の必要性
  [2] 工場の発展とチェック機能の麻痺
  [3] 社内の風通しの悪さと沈黙
  [4] 水俣病の原因究明と使命感
  [5] まとめ――命をかける
 1.4 物の豊かさより心の豊かさ
 1.5 国難はすぐそこに
 1.6 技術倫理の始まり――クラーク博士
  [1] 大学教育の原点
  [2] 志を持つ
  [3] 大学でまず志を鍛える
  [4] 倫理の熱血漢
  [5] 挫折の志――洋上大学開校
  [6] 大学は新しき人をつくる
  [7] 廣井勇の志と覚悟
  [8] 廣井勇の小樽築港の責務
  [9] 青山士――技術倫理、人類、国のため
 まとめ――新しき人を求める扉

第2章 技術倫理の継承

 2.1 技術倫理教育の基本――若手技術者・学生に向けて
  [1] 技術多様化に対する倫理観
  [2] 新技術への倫理対応――ロボットと人の責任・覚悟
 2.2 技術倫理規定の概論
  [1] 倫理規定の意義
  [2] 現在の技術倫理規定
  [3] 相反回避――倫理規定のジレンマ
  [4] 倫理規定の必要性――規定の再認識
 2.3 倫理の原点
  [1] 古代文明と倫理的宗教
  [2] 先人に学ぶ
  [3] 日本の武士道――人間の品性
  [4] 民衆の心の時流
 2.4 技術倫理問題の解決手法
  [1] 実践的思考法
  [2] 意志決定法
      ――セブン・ステップ・ガイドとP・D・C・Aサイクル
  [3] 一般的決議法
  [4] 哲学的・心理学的解法
  [5] 意志決定法――三原則
  [6] 内部告発――ホイッスル・ブローイング
 2.5 技術倫理テーマの実事例検討
  [1] チャレンジャー号事故の警鐘
  [2] シティコープ・タワーのリスク――立ち止まる勇気
 2.6 倫理的判断力
  [1] 技術倫理の促進――償えない人災
  [2] 自律性思考――他者共有の必要性
  [3] 誠実性・公平性
 2.7 コンプライアンス
  [1] 技術倫理堅持――技術者の必須要件
  [2] 未然防止――コンプライアンス深慮
 2.8 トレードオフ
  [1] 技術倫理のジレンマ――トレードオフ超克
  [2] 相反の回避――技術者のバランス感覚
 2.9 技術倫理教育総括 64
  [1] 技術者の功罪――技術倫理実践
  [2] 技術倫理の不文律――責任・覚悟と判断力
 2.10 ケーススタディ
  ケーススタディ1 Y子のジレンマ
      開発〜環境保護  個人〜組織
  ケーススタディ2 A君のジレンマ
      不正コピー・アンド・ペースト特許侵害
  ケーススタディ3 STAP細胞問題 研究不正

第3章 技術倫理問題の認識と解決に向けて

 3.1 自律的判断を磨く
 3.2 技術倫理問題の認識
  [1] 自己の倫理規範を持つ
  [2] 倫理と法律・道徳・マナーとの違い
  [3] 常に生じるジレンマと技術倫理の衝突
  [4] 技術倫理の本質を知る
  [5] 志を抱いて
 3.3 清きエンジニア
 3.4 技術倫理問題の解決に向けて
  [1] 倫理判断をより適切に行うためのプロセス
  [2] 個人の利益と全体の利益
  [3] 倫理的判断ためのテスト

第4章 組織の倫理・技術倫理

 4.1 倫理が組織を強くする
 4.2 倫理の歩み
 4.3 組織の価値に直結する組織の倫理・技術倫理
  [1] 組織の存在意義
  [2] 組織の倫理・技術倫理
 4.4 組織を強くする倫理・技術倫理
  [1] 組織の不正・不祥事
  [2] 安全と安心
  [3] 将来の危険に対する対応=リスク管理
  [4] 不正・不祥事の発生時の対応=危機管理
  [5] 組織のリスク管理と危機管理
  [6] 存在する定石
  [7] 倫理の力
  [8] 扇の要となる倫理
 4.5 倫理的視点による事例検証
  [1] ジョンソン・エンド・ジョンソン(J&J)
       毒物混入事件(1982年)【成功例】
  [2] 参天製薬 異物混入事件(2000年)【成功例】
  [3] オダワラ社 集団食中毒事件(1996年)【成功例】
  [4] 雪印乳業 八雲工場 集団食中毒事件(1955年)【成功例】
  [5] 雪印乳業 集団食中毒事件・雪印食品
       牛肉産地偽装事件(2000・2002年)【失敗例】
  [6] ハイジャックへの対応 日本政府【失敗例】
  [7] ハイジャックへの対応 ドイツ政府【成功例】
  [8] 事例検証のまとめ
 4.6 ゆで蛙シンドローム(経験に学ぶ)
 4.7 倫理観の低さが国レベルの影響を招いたケース
  [1] セウォル号 沈没事故(2014年)
  [2] 日本のものづくりの信頼を揺るがす問題(2017年)
 4.8 この症状に要注意
  [1] 症状1:無意識で倫理に反する(倫理の死角)
  [2] 症状2:誤った結論を導く(グループシンクの罠)
  [3] 症状3:善意が時として危機を招く
  [4] 症状4:異なる倫理体系の混同
  [5] 症状5:空気による支配
  [6] まとめ
 4.9 一人ひとりの倫理観が組織を強くする
  [1] 平成を代表する技術者であり経営者に学ぶ
  [2] 倫理は力強い味方
  [3] 倫理が切り拓く未来

第5章 少しでも国難を救うための実践に向けて

 5.1 阪神・淡路大震災の教訓に学ぶ
  [1] コンクリートクライシス――リスク管理の未熟さ
  [2] 建設の最優先――技術倫理の棚上げの恐ろしさ
  [3] 安全神話の崩壊
  [4] 将来起るリスクへの対応
  [5] 構造物の欠陥と劣化状況の一例
  [6] 耐震設計基準の見直し
  [7] 耐震設計の向上――将来を見据えたリスク管理
  [8] 北海道における津波対策
  [9] 特に気になるコンクリート構造物の欠陥――将来の大きな損失
  [10] まとめ――構造物の点検、補修、補強
 5.2 東日本大震災からの出直し
  [1] 南海トラフ地震のリスクマネジメント
  [2] 原発事故は人災
  [3] 吉田所長の危機管理の称賛と津波リスク管理の無念さ
  [4] 土木技術者は誠実な責任者
  [5] まとめ――心の中を再構築
 5.3 ジレンマと戦いながら合意形成――千歳川放水路計画
  [1] 千歳川放水路計画の背景
  [2] 合意形成とメディエーション
  [3] BATNAの重要性
  [4] 委員会の調停
  [5] バトナを決定する1手法――アンケート調査
  [6] 委員会調停
  [7] まとめ――合意形成
 5.4 国難を救う一筋の光――有珠山噴火の避難体制に学ぶ
  [1] 人的災害ゼロ、1万人を救う
  [2] 防災成功の鍵――テトラヘドロン
  [3] 避難予報のタイミング

参考(ウェブサイトの情報)

おわりに―技術倫理とともに―
Copyright