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書籍詳細
 
食文化の風景学
小林享著
A5・196頁 / 2530円
発行年月日 : 2007年9月
ISBN : 978-4-7655-1725-6
 

内容紹介
景観から食の問題にアプローチした初めての書。食の文化と風景の文化とが相互に融和しその効果を高め合う事象をとりあげ,感性や五感の織りなす景観論として組み立ててある。景観工学的にいえば,視点近傍の設計につながる視点場論を深化させることにより,風景デザインの概念を広げているといえる。景観工学,風景学,観光学などの学術書としてだけでなく,食,料理,旅行に関心を持つ一般の人々の読み物としても楽しめるものである。
 
目次

風景学の新たな地平――中村良夫

味わいのレッスン
 ――風景を目利きし味の本質を見抜くことが健康な精神と身体をつくる

序章  食と風景の美意識――景観論としての「食文化」

 1 食文化の読み解きと景観工学
    しなやかな学問として
    食と景のあいだに美は成立するか
    食と風景の相性と読み解きの符号
 2 美し考−―「味わう」ということ

第1章 感受と発露

 1 名水遊行―−風情ある水の味わい
    五官味と「知味」
    知味の指すもの
    和歌・俳句と水景
    景色と利き水の名人
 2 酒催
    詩歌に見る風景のなかの酒
    絵画に見る風景のなかの酒
    酒のなかの風景
 3 雨見の美学
    雨の道具立て
    雨遊
    時雨ごこち

第2章 解釈と操作

 1 音の紡ぐ「食」と「景」
    食の風景を支える音のレシピ
 2 ディスプレイの値打ち
    しつらいともてなし
    目食の楽しみ
 3 食味箪笥
    知を耕す料理名
    食の美質を成す気色

第3章 体験と深度

 1 花逍遙
    「花」見るかたち
    食べるという環境
    創意工夫――発見と転用
    知的覚醒――美味と意味
    もてなしの実験――食事景観のデザイン
 2 干しの技巧
    連鎖する景色
    調合する五感

第4章 規範と観賞

 1 「気」のなかの食事
    気と真味
    野外調理の心得
    気と食事環境の演出
 2 食とシークエンス景観
    惹かれ、高め合う食と景
 3 「まる」と「しかく」―−美味の理を考える
    眺めとしての枠と型
    景色の納め方―−生け捕り
    絵画の背景に学ぶ―−意味を語る背景
    器と視覚

第5章 様式と意匠

 1 あかあかや
    「あか色」の器量
 2 白の美と色香
    白のそれぞれ
    乾坤を満たす「白」と視覚のレッスン
 3 夜景遊宴
    夜景の古典
    現代の夜景の味わい
 4 目のご馳走−―たとえば湯煙の名山
    湯のなかの視線

あとがき
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